めだかの話（趣味のめだか　おおさと）

第３５話　終焉（２）　メドゥルノは、慌てて、バスを追いかけて行く。大きなバスは、メダカ達が集まる砂底へ降りてきて、目前に迫った。　その時、底に居た彼女がメダカ達とバスの間に割り込んだ。「止めなさい。」彼女がバスに向かって叫んでいる。しかし、大きなバスは、彼女が裏切ったと思ったのか、今度は彼女目掛けて襲ってきた。　バスに追いついたメドゥルノは、とっさに、彼女を押しのけてバスに飛び掛った。バスの口が閉...

第３５話　終焉（１）　すると、彼女はメドゥルノのヒレを押さえて、「貴方には関係ないわ。私が起こしたことなのだし、私にしか彼を止められない。」と言って、飛び出して行った。慌てて後を追うメドゥルノの所へメダカ達が集まり、大きな影に向き合った。「皆さん、ボクがあいつを上へ引きつけるから、皆さんは彼女と一緒に下へ逃げてください。」「まだ、彼女をかばうのか。」とメダカ達の中の一人が言った。「彼女は悪い子じゃ...

第３４話　衝撃の言葉　「その後、私は貴方と知り合った谷間に住み着いたし、彼は深い谷へ戻るようになって、時々会うようにしていたけれど、渇水や大水があったときは、バスの食べ物が不足したものだから、彼の狩りに協力したの。彼にとっては生きるためのことなのだから、命を助けて貰った私が恩返しするのは当然でしょう。」「でも、メダカを襲わせて、いい分けではないだろう。」「同じメダカでも、住む所が違うのよ。所詮、よ...

第３３話　彼女との再会（３）　「あのメダカ達とキミとの間に何があったのかは知らないけれど、仲間を売ることだけはボクが許さない。」「カッコ付けてるのね。でも、あなたが仲間だと思っても、あのメダカ達にとっては、よそ者に過ぎないのよ。」彼女は、声を高らげた。「そうかもしれない。だからと言って、あのメダカ達の生活を奪ってもいい分けではないだろう。」「私も、以前はそう思っていた。少なくとも、あのことがあるま...

第３３話　彼女との再会（２）　彼女の横に居たのは、いつもメドゥルノを襲ってきた奴だった。メドゥルノと、その大きな奴は睨み合いになった。「止めときなさい。こんなボロけた一匹だけを食べても腹の足しにならないわ。」と言って、彼女は大きい奴を引きとめた。「いいことがあるわ、また、沢山食べさせてあげるから、下で大人しくしてなさい。」それを聞いた大きな奴は、静かに沈んで行った。　「何故、あんな奴と一緒にいるん...